私の研究論文・雑誌記事・講演において、第三者が作成した図表を当該作成者の許諾なく利用した件について、立教大学より2023年10月25日付で立教大学研究活動における不正行為への対応に関する規程(以下、立教大学不正行為対応規程)第2条第4号が定める「盗用」(他の研究者のアイディア、試料、分析・解析方法、研究結果、論文又は用語の使用に関し、当該研究者の承諾又は適切な表示を行うことなく流用する行為)に、該当するとの通知を受けました。
本件における私の行為は研究者としての公正な慣行を欠く利用であり、研究者としての倫理に反する行為であったと考え、深く反省するとともに立教大学の判断を厳粛に受け止めております。また、私の無断利用行為によりご迷惑をおかけした当該図表の作成者様、各種論文の出版社様及びその他の関係者様には深くお詫び申し上げます。
本件における私の無断利用があった論文・雑誌記事・講演は下記のとおりです。<論文>については、いずれも図表を山田が作成し直して、差し替えを行いました。それに関する正誤表も発行しました。撤回をした論文も含まれます。正誤表を発行できない<講演>の録画動画やスライドについては、公開リンクを切り動画を削除しました。絶版になった<雑誌記事>については、出版社に相談の上、その該当箇所を本HPにおいて公開することを決定しました。本HPにおいて、無断利用のあった論文・雑誌記事・講演を明記し、是正措置の状況とあわせてここに周知いたします。
〇無断利用のあった論文・雑誌記事・講演と是正措置の状況
<論文>
- それでも学生はポストエディターになれるのか?ニューラル機械翻訳(Google NMT)を用いたポストエディットの検証、山田優・大西菜奈美、言語処理学会第24回年次大会発表論文集、2018 年3 月、740 頁(表4 全体)
- 表を差し替えることによって是正措置を完了しました。下記のリンクより、差替え済みの論文を参照いただけます。
- https://anlp.jp/proceedings/annual_meeting/2018/pdf_dir/E4-2.pdf
<雑誌記事>
- 研究者が考える——翻訳者がAI 時代に生き残るためのスキル、山田優、通訳・翻訳ジャーナル(イカロス・2018 SPRING)、40 頁(図1)
- 当該雑誌は既に絶版となっているため、正誤表を入れることができません。そのため体系的な対処の対象となりうるのは原理上、主に中古書籍の市場のみであり、しかも、中古市場全体に対して体系的な対応を行うことは現実的に不可能であると推察されます。したがいまして、現実的に可能な対応策として、無断利用の該当箇所と適切な引用をここに示すことが公に示すことができる最も効果的な手段であると判断しました。
- 当該図は以下の資料のp. 5を参照して作成しました。
- 山本真佑花・田辺希久子・藤田篤、 エラーカテゴリーに基づく翻訳学習者の学習過程における習熟度の分析. 日本通訳翻訳学会第16回年次大会予稿集、 C-5、 p. 29、2015年9月
- http://paraphrasing.org/~fujita/publications/coauthor/yamamoto-JAITS2015-slides.pdf
<論文>
- The impact of Google Neural Machine Translation on Post-editing by student translators, Masaru Yamada, Journal of Specialised Translation, Issue 31 (2019), p.96(Figure1 右側)
- 表を差し替えることによって是正措置を完了しました。下記のリンクより、差替え済みの論文を参照いただけます。
- https://jostrans.soap2.ch/issue31/art_yamada.php
<論文>
- Language learners and non-professional translators as users, Masaru Yamada, The Routledge Handbook of Translation and Technology (2019), p. 195(Figure 11.1 左上)
- 増刷分以降(reprint以降)で表を差し替えることによって是正措置を完了しました。下記のリンクより、差替え済みの論文を参照いただけます。
- https://www.routledge.com/The-Routledge-Handbook-of-Translation-and-Technology/OHagan/p/book/9781032475318#
<論文>
- ポストエディットと持続可能な翻訳の未来、山田優、外国語学部紀要(関西大学)第24 号、2021 年3 月、98 頁(図3 右上)
- 論文を撤回し、是正措置を完了しました。
<講演>
- 翻訳をアップデートせよ〜AI 時代の翻訳力を理論と実践で考える〜、山田優・平岡裕資・松尾直、2019 年度第1回JTF 関西セミナー、2019 年7 月11 日・関西大学(講演スライド)
- 講演スライドのリンクを削除して、是正措置を完了しました。
<講演>
- Post-editing and a Sustainable Future for Translators, Masaru Yamada, Invited Talk on 5th Translation in Transition(TT5), Oct 16, 2020(講演動画)
- 講演動画のリンクを削除して、是正措置を完了しました。
<その他>
- Semantic Scholar等、ウェブ上のクローラーで表のキャッシュが残っているサイトについても当該論文の削除依頼を送付済みです。また当該表のインターネット上で検索できそうなキーワードも網羅的に調査を行い、これ以上のキャッシュが残っていないことも確認済みです。
以上
2023年12月14日
山田優
改定履歴
初版:2023年12月14日
改定1:2024年2月7日
改定2:2024年4月13日
改定3:2024年4月15日
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